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先頃、岩手県の産廃処分場候補地となった花巻市大迫町亀ヶ森地区の沢地周辺に鳥類の観察に入ってみた。



ミサゴは今月中頃まで巣の中に座っていたが、どうしたわけか2羽とも巣の外に出てしまっている…まだ孵化していなければ抱卵か、生まれてもしばらくはヒナを抱いて座っているか餌を求めて飛び回っていなければならないはずだが。繁殖は黄信号か。

候補地になっていた沢地に入ってみると気持ちのよい小さな畑地と田んぼがあり、小川が流れている。そして「ピックイー」と鳴き声がして、サシバが飛び立った。


サシバの若鳥。風切羽と尾羽の一部が伸長中に見える。


サシバは近くのスギのてっぺんにとまった。


その後も田んぼの杭にとまって探餌したり、マツの枯れ枝にとまったりしていた。

サシバは春になると南西諸島や東南アジアなどから日本本土に渡って来て繁殖をする猛禽である。日本では田んぼのカエルなどを主に捕食しており、水田のある里山環境によって保たれているともいえる。環境省では絶滅危惧Ⅱ類、岩手県のレッドデータブックではBランクに指定されている。先の岩手県の産廃処分場の候補地選定ではⅡ類の猛禽類は除外すべき場所の基準に入っていたのだが、ここにサシバが生息していることは知られていなかったので、選ばれてしまった。筆者はこの周辺では生息を確認していたが、候補地のまさに中心で確認したのは今回が初めて。ここが処分場として開発されてしまっていたらサシバの生息地が消滅していただろう。身近な環境を普段から詳しく観察しておくべきだと改めて思った。


ここはまさにサシバの好きそうな環境。埋め立てられることにならなくて本当によかったと思うと同時に、このような水田を維持している所有者の方に感謝したい。


ミサゴは巣を離れて沢地の方の尾根まで来てぼんやりとまっている…いいのか?


亀ヶ森ペアの推定♂。ミサゴは環境省では準絶滅危惧、『いわてレッドデータブック』Bランク。


先週にはオオタカも付近を飛んでいた。環境省の準絶滅危惧種、岩手ではBランク。


さらに大迫地域では筆者は初認のハチクマが飛翔していた。繁殖ディスプレイの羽打ち飛翔をしていたのでわかったのだが。

…ハチクマ…? わかんねーよ!?



残念ながらまともな写真が撮れなかったが、ハチクマはやはり繁殖のために日本に渡って来て山の中で蜂を食ってる変わった猛禽。環境省の準絶滅危惧種、岩手県レッドリストではCランク。亀ヶ森で繁殖しているかどうか観察を続けたい。


ハチクマ(宮古市内で)

やはり亀ヶ森は豊かな里山だった。そういえばサンコウチョウ(岩手県Dランク)の鳴き声も確認した。ほかに、ノスリ、トビ、ヒヨドリ、キビタキ、オオルリ、センダイムシクイ、カワラヒワ、ツツドリ、カッコウ、アオゲラ、アカハラ、ホオジロ、ヤマガラ、キジバト、ウグイスなど。人家のある県道沿いの方ではツバメ、スズメ、ハシボソガラス、セグロセキレイ、カルガモ、アオサギ、モズ、イワツバメなども。

2015.03.24 ミサゴ再来
旧大迫町地域に花巻や石鳥谷から入ってくるときにまず通るのが亀ヶ森地域である。その亀ヶ森の里山にミサゴという猛禽類の営巣地があることはたびたび触れた。通常、猛禽類の営巣地をわざわざ明らかにすることはないのだが、営巣地が産業廃棄物最終処分場の候補地になってしまい、喪失の可能性があったためにやむなく明らかにせざるを得なかった。

その亀ヶ森の営巣地に、今年もミサゴが繁殖のためにやってきているのを先日確認した。巣の周りに一時三羽いたのでこの後どうなるかは分からないが(通常は雌雄から成る1ペアが一つの巣を利用…当たり前だが)、とりあえず良かった。翌日には一羽が曲がったマツの木の上で、運んできた魚を食べていた。ミサゴは魚食を専らにする猛禽である。生息域は世界中に及んでいるが、決して安泰というわけではない。営巣地や、餌をとる海や河川や湖沼の環境が変わればあっという間に個体数の減少につながる可能性はある。なんということのない、しかし豊かな里山に今年もミサゴが戻ってきたことを喜び静かに見守りたい。


2015.3.21


2015.3.22


2015.3.22

一昨日からまた雪が戻ったが、もう春が止まることはない。ダム湖の氷も解けてきた。


2015.3.22 早池峰ダム
岩手県が計画している次期産業廃棄物最終処分場の最終的な候補地が2月13日に発表され、八幡平市椛沢地区に決まった。以前このブログにも書いたように、花巻市大迫町亀ヶ森地区の沢地が、昨年8月に選ばれた4次候補地のうちの一箇所に入っていた。
亀ヶ森では、候補地の周辺に希少猛禽類ミサゴの営巣地や縄文時代の遺跡があること、農業や観光への影響に対する懸念などの理由で地域住民を中心に反対の声が上がっていた。日本野鳥の会北上支部は猛禽類保護を求める意見書を、地区住民は反対署名を岩手県に提出した。また地域住民を対象にした説明会では反対の声が相次いだ。
県がそれらを考慮した結果か、最終選定で亀ヶ森地区は除外された。これで候補地の沢地は開発されず、ミサゴの巣や清水、貴重な土偶の出る縄文遺跡は残ることになった。これをもって同地区での処分場整備に反対する行動は終わりとなる。今後は、候補地だった沢地の動植物の生態をより詳しく調べたり、観察会などを通じて地域の自然に親しんでいければいいと思う。

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亀ヶ森のミサゴ 2014年

とうとう大晦日になってしまった。なかなかブログに手が回らなかったが今月の記事ゼロというのもなんだし、書いておかなければならないことがあるのでようやく更新する。

「花巻市大迫町亀ヶ森地区のミサゴ営巣地と産業廃棄物最終処分場問題」まとめ

・花巻市大迫町亀ヶ森地区に、筆者が2009年から営巣を確認しているミサゴの巣がある。
・ミサゴは魚食専門の猛禽類で、環境省の指定する準絶滅危惧種、岩手県レッドデータブックのBランク。


ミサゴ(宮古市で筆者撮影)

・亀ヶ森のミサゴは毎年3月から8月ごろ営巣地で繁殖し、2009年から2014年の6年間で4回はヒナをかえした。


2011年4月 亀ヶ森で筆者撮影


・そのミサゴの営巣地が岩手県の産業廃棄物最終処分場の候補地に選ばれている。



・候補地選びは最終段階まできていて、5箇所の候補地から1箇所が、今年度内に選ばれることになっている。
岩手県公共関与型産業廃棄物最終処分場整備候補地選定結果報告書

・日本野鳥の会北上支部では、希少猛禽類保護と生態系保全の観点から、亀ヶ森の営巣地を候補地から除外するよう求める意見書を岩手県に提出した。

意見書_Fotor

意見書2_Fotor

・意見書(2014年11月26日)の骨子
 ①当該地はミサゴの営巣地があるほか、周辺ではサシバ、オオタカ、ノスリなどの生息も確認されており生物多様性に富んだ豊かな自然が保たれているので、産業廃棄物最終処分場の候補地としては不適当であり、除外を求める。
 ②県は候補地選定過程において、自然環境の保全の条件として環境省の基準のみを用いているが、岩手県には独自に作成した「いわてレッドデータブック」があり、それを活用すべきである。「いわてレッドデータブック」を基準とした場合、ミサゴの営巣地である亀ヶ森は候補地として不適当であり、除外を求める。


亀ヶ森では環境省の絶滅危惧Ⅱ類のサシバも毎年繁殖行動が確認されている。2012年6月亀ヶ森で筆者撮影

・県の回答(12月5日)骨子
 ①候補地選定過程においては環境省の基準を用い、2013年の9月の時点での猛禽類の生息情報をもとに選定した。
 ②最終的に候補地が決まったら「いわてレッドデータブック」を活用して環境影響評価を行う。

県回答_Fotor

野鳥の会への回答に先立って、岩手県による時期最終処分場に関する説明会が花巻市大迫町亀ヶ森地区で11月29日に開かれた。地区住民など約150名(岩手日報、岩手日日など新聞報道より)が出席し、住民からの質問や反対意見が相次いだ。

・参加者の意見のまとめ
①自然保護や文化財保護の観点からの反対意見
 ・ミサゴなど希少猛禽類の生息地であるので候補地から除外すべき。
 ・候補地内に埋蔵文化財包蔵地である縄文遺跡の「宮沢遺跡」が含まれるので候補地から除外すべき。
②地域の産業である農業や観光への影響を懸念する意見
 ・処分場が出来ると農作物への影響や風評被害が出る恐れがある。
・処分場の施設の耐用年数は50年だというが、その後どうなるかは誰にも分からない。
 ・早池峰山や神楽を観光資源として持つ大迫地域に産業廃棄物最終処分場は相容れない。
③候補地選定過程における住民参加の手続きに対する意見
 ・候補地の裏側の紫波町で農業をしているが、紫波町の住民には何の説明もなく不誠実だ。
 ・候補地選定の話は青天の霹靂で、この1回の説明会で意見を聞いただけで決めるというのは納得できない。

・県の回答まとめ:
①ミサゴの巣は承知していた。選定過程で厳しい条件で環境アセスをしていると時間がかかるので緩い基準で選んだ。宮沢遺跡に関しては承知していた。報告書に示した100haには入っているが、処分場の候補地の30haには含まれていないので、除外しなかった。
②処分場からは汚染物質は出ない。皆さんの郷土愛が伝わって来た。
③紫波町は分水嶺の反対側なので説明会は開かない。岩手県内のどこかに処分場は作らなくてはならず、今年度内に決めなければならない。皆さんのご意見は伺った。


県は説明会で何も言っていなかったが、実は現在稼働中の産業廃棄物最終処分場「いわてクリーンセンター」では、今年の4月に汚染もれがあったことが、毎日新聞で報じられていた。



県は3月末までに5箇所のうちの1箇所に候補地を決定し、測量に入るスケジュールとなっている。
11月29日の説明会の雰囲気は、これで亀ヶ森地区に決定したら暴動が起きるだろうという大反対の熱気にあふれていたが、県がその住民の意志を最終決定にどのように反映するかは分からない。亀ヶ森地区住民のみならず、旧大迫町地域住民、花巻市民(処分場の処理水は稗貫川から石鳥谷地区を通り、北上川へ注ぐ)、近接する紫波町町民は今後の動向を油断せずに注視する必要がある。

今月末までのその後の動き
・亀ヶ森地区住民や市議会・県議会議員が、候補地の見学会を行った。
・亀ヶ森地区住民が反対署名を800数十名分集め、提出する予定。

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メボソムシクイが河原の坊コースの沢沿いでさえずっていました。

IMG_7646_Fotor.jpg
頭垢離の手前はまだまだ雪が多いもののアイゼンやピッケルは不要です。不安な方は雪解けをお待ち下さい。


花期の長いミヤマキンバイはあちこちで開花。


山頂の東側、小田越コースの九合目との間もまだ残雪に覆われています。遠くには宮古湾がかすんで見えました。


携帯トイレ専用となった避難小屋のトイレブースの前には使用済みの携帯トイレが残置されていました。


毎年、こういう例は後を絶ちません。


どこのどなたか存じませんが、私が麓へ持ち帰って差し上げましたよ。この後、DNA鑑定に回されます(ウソ)。


開慶水は満々と水をたたえていました。


小田越コースの一合目では薬師岳をバックに花見。


小田越の樹林帯も残雪がありますが、もう道に迷うほどではありません。ショウジョウバカマが咲いています。


帰り道、笠詰のあたりでニホンジカのメスに遭遇。逃げないでこちらを見ていました。何か言いたそうだの。


べー。


ダムの手前ではテンが体を波打たせて走っていた。


金色の毛並みが美しいにゃあ。


こっち見てる。