きのうは台風の影響が出て風も強かったのですが、山頂まで行きました。ハヤチネウスユキソウはだんだんくたびれてきて、夏山も後半の雰囲気になってきました。

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クガイソウ 

河原の坊コースの沢沿いに咲いていたタチカメバソウやノビネチドリの花はもう姿を消しました。



タマガワホトトギスも咲き始めました。



オオカサモチ



ヤマハハコ



イブキジャコウソウも咲き始めています。ハーブのタイムの仲間です。触れるとタイムの香りがしますが、山頂も近くなってお腹も空いたころに嗅ぐと空腹感がいや増しますよ。



タカネヤハズハハコ ヤマハハコと同様、キク科のウスユキソウの仲間です。



下から見ると強風にガスが流されて山頂は見えませんでしたが、上に上がると雲海の絶景でした。
ただし気温は10℃~13℃前後。

さて、こちらはホソバツメクサによく似て非なる花です。



カトウハコベといって、環境省の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)にも入っている植物です。北海道や本州の蛇紋岩山地に生える植物ですが、早池峰山ではよく似たホソバツメクサが圧倒的に多いので、知らなければ気付くこともありません。ホソバツメクサと花は似ていますがよく見ると葉が全く違います(7/13の記事の写真参照)。

ところで、名前の「カトウ」は加藤さんという人の名前からきています。明治38(1905)年8月、東京山草会という高山植物研究会が早池峰山にやってきて数々の珍しい植物を発見したそうです。この研究会の学問的な中心はかの牧野富太郎博士でしたが、この時の早池峰登山でこのナデシコ科の新種を発見しました。牧野博士は記念にこの採集登山を呼びかけた加藤泰秋という子爵の名前を取ってこの植物をカトウハコベと名づけた...とものの本にあります。(井上幸三・小水内長太郎『早池峰の自然』)
この加藤泰秋子爵、ググッてみると結構な経歴の方でした。幕末には伊予大洲藩のお殿様でしたが、薩長同盟や坂本竜馬と通じ、尊王倒幕を掲げて官軍側として鳥羽・伏見の戦いや戊辰戦争に参加。維新後にその功が認められ子爵の位を授けられたそうな。最後は大正天皇の侍従まで務めています。こりゃ牧野博士も植物に名前くらいつけますわな。たぶん早池峰登山の費用とか全部子爵が出してるんでしょうし。(関係ないけど盛岡藩は戊辰戦争で幕府側について敗軍となってました。)

もう一つ、人の名前を冠した植物を。



リンネソウです。分類学の祖リンネが愛したことから命名されたそうです。早池峰では数が少なくあまり目に触れませんが、こちらは北半球寒冷地に広く分布し、環境省の絶滅危惧リストにも入っていません。日本名では「めおとばな」というそうです。かわいらしい花ですね。

人名を冠した花といえば、早池峰にも関係の深い須川長之助が名前の由来となった「チョウノスケソウ」が有名ですが、これは早池峰には生えておりません。

なお、当ブログとウェブサイト「星鴉通信」では、早池峰山で見られる植物のうち、絶滅危惧種に指定されているものや盗掘の多いラン科の植物で特に個体数の少ないものなどは、開花していてもすっとぼけて情報を載せませんのであしからずご了承ください。
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