まずは最近咲き始めた花を。

ヨツバシオガマ 花のついている部分がミヤマシオガマより上に長く伸びた形になっています。葉が4枚輪生しているので「ヨツバ」。

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ウラジロヨウラク ヨウラクとは「瓔珞」で、仏像の首や胸に垂らす飾りのこと。花の形がこれに似ています。コヨウラクツツジのヨウラクも同じ。ウラジロは葉の裏が白いことから。

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ところで仏像の首飾りといっても、奈良や鎌倉の大仏はそんなもんしていませんよね。あの仏たちは「如来」で、釈迦が悟りを開いた後の姿をしているのでアクセサリーなどつけていないのです。装身具をつけているのは「菩薩」や「明王」といった、出家前の釈迦つまりインドの小国の王子時代の姿を模した仏たちです。...なんてウンチクを山で初めて会った人に披露して嫌がられないよう気をつけましょう。

さて、さらなるウンチクいや今日の本題に入りましょう。いま気になる花、それはミヤマヤマブキショウマです。早池峰山の固有種ですが地味なうえに数も多いのであまり珍重されていないように思われます。

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この花はどの図鑑でも早池峰山の固有種となっていて、その元々の発見者は早池峰で多く植物を発見した須川長之助・マキシモービチのコンビです。マキシモービチによるミヤマヤマブキショウマの発表は1879年にさかのぼります。さて、このミヤマヤマブキショウマについて、大迫町立山岳博物館編『早池峰の植物』(1983)にこんな記述があるのを見つけました。
「マキシモービチの発表以来極く最近まで本山の特産種とされていたが、北海道の羊蹄山、山梨県の駒ケ岳でも発見されたとの報告がある。」
これが事実なら、ミヤマヤマブキショウマは早池峰山の固有種ではないことになります。ところが、この後に出版された図鑑などをあたってもこういう情報は載っておらず、必ず早池峰山固有種となっています。唯一同様の記述があったのは井上幸三・小水内長太郎『早池峰の自然』(1994)ですが、『早池峰の植物』とほぼ同じ文言で、その「報告」の出処については書かれていません。その「報告」は学会などで発表されたものではなかったのでしょうか。2003年に岩手県が発行した『いわてレッドデータブック』では、あっさり「早池峰山のみに分布する固有の変種」となっています。やはり取るに足らない噂だったのでしょうか?最初の「報告」からもう30年近く経っているのだからすでに決着のついていることなのかもしれません。誰かご存じの方がいらっしゃったら教えてください。

ところで、ミヤマヤマブキショウマには雄花と雌花があります。

雄花 おしべしかありません。

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雌花 めしべしかありません。

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調べてみると多いのは雄花です。雌花は形も小さめで数も少なく、見つけにくいです。どこでもオスはあぶれちゃってるの...
山にはルーペも持って上がると楽しいですね。
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