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夏休みの宿題は最終日までためておくタイプのほしがらす通信です。
早池峰山は秋の気配が漂い、ニホンジカのオスの繁殖期のコールも始まりました。

前回の記事の最後の画像は、河原坊登山口のオオイタドリがシカに食われてボウズになっている写真でした。
そこにセンサーカメラを置いてみると、日夜シカが出没している様子が写っていました。


3頭同時に写っています。 2021/8/19 17:56


これは子どもみたいですね。 2021/8/7 0:55

彼らは人がいる時間は姿を見せませんが、これが早池峰山の日常風景なのです。今年、小田越登山口付近では日中に逃げずに登山者のカメラに収まるシカも見られたようです。
早池峰山生まれのシカは数年前には見られました。メスは生まれた翌年には繁殖可能ということですので、母子ともに早池峰山生まれの親子もすでにいるのではないでしょうか。


さて、2020年と今年2021年の早池峰山シカ対策のうち、防鹿柵について簡単に振り返ります。

2018年に始まった早池峰山での防鹿柵(植生保護柵)設置。3年目の2020年は、前年の柵を延長する形で柵が設置され、柵の総延長は東北森林管理局によるものが740m、岩手県自然保護課が750mとなり、合わせて1490mになりました。柵の設置は5月〜6月(森林管理局)・6〜7月(県)から始められ、前年より効果が上がったと考えられます。
2021年は、2020年と同じ場所に加えて東北森林管理局でさらに50mほど追加されました。


早池峰山南麓の森林管理局の柵を上空から見るとこんな感じで、グーグルマップでも確認できます。
おひまな方は探してみてはいかがでしょう。

今年、2021年の柵設置(外して地面に置いてあったネットを張り直す)作業は、東北森林管理局が5月20日、岩手県自然保護課が5月28日に開始しました。シカは5月中旬には戻って来ていますので、早目に設置されてよかったと思います。
(筆者は今年4月21日に小田越の西側標高1200m付近の県道沿い林内でシカ1頭を目撃しました。)


5月28日、小田越コース登山道沿いの柵設置。主にオサバグサを保護しています。


薬師岳の登山道沿いにもオサバグサを保護する柵が設けてあります。


オサバグサの花期に確認して見ると、効果は顕著に現れていました。


柵の中ではオサバグサが咲いていますが、


登山道を挟んで向かい側はほとんど裸地化してしまっています。(以上、2021/6/7)


ここは南面東側の県設置の柵です。柵の中ではチングルマが咲き誇っていました。 2021/6/20


こちらは通年張りっぱなしの柵です。


今年は5月12日にはシカが写っていました。


柵があるおかげで今年もマルバキンレイカが開花しました。 2021/7/30


柵がなければ今頃は柵の周囲と同じくイネ科しか残っていないでしょう。 2021/8/28


いま早池峰山では、シカはよほど歩きづらいか人目につきやすいところ以外はどこにでもいて、居心地のよいところでは首の届く限りの範囲にある食べやすい植物から食べていると思われます。

今年も登山道沿いでは多くの美しい花の姿を見ることができました。(いずれも2021/7/2)






しかしそのうち、私たちは囲われた柵の中にしかこうした花を見られなくなるのかもしれません。

(つづく)


2019年度までのシカ対策は以下の記事をご覧ください。またはカテゴリ「シカ」でシカに関連する記事を見ることができます。

ほしがらす通信 2018/8/29 「やっとネットもっとやって」
ほしがらす通信 2018/9/9 「柵のあとさき」
ほしがらす通信 2018/12/31 「今年のまとめと来年の展望」
ほしがらす通信 2020/3/8 「2019年度のシカ柵事業」
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