2012.01.23 鯨山に登る
先週、大槌の方に案内されて大槌町の鯨山(610m)に登りました。
鯨山(くじらさん、と土地の方は読みます)には複数の登山道があるということでしたが、初めて登るならここと、表参道に案内されました。昔、山伏が登った正式な道だそうです。




標高を十等分した61mごとに一合目、二合目...の表示があります。

二時間弱で山頂に着きました。山頂には鳥居があり、




鯨山神社があります。祠の前と中には権現様の獅子頭がありました。山伏による権現信仰の名残が色濃く感じられます。面白かったのは、表参道コースの麓から途中までは登山道に花崗岩が露出していましたが、半分より上くらいは石灰岩らしい別の地質になっていたことです。石灰岩が変化した大理石も見られたので、むかし海の底で堆積した石灰岩がドンブラコと南の海からやってきたところに白亜紀の花崗岩の貫入で石灰岩が変化した...ということなのでしょう(かなりざっくりなので後で博物館ででも調べてみます)。

そして、山頂からは


早池峰山が見えました。




どこから見ても早池峰はいいなあ。


山田湾方面もよく見えます。


浪板から吉里吉里方面(真ん中の枝は何でしょね...)。頂上から東側の展望はよく、日の出を見るのによさそうです。この日はあたたかく、雪も山頂にほんの少しあるだけでしたが、お昼を食べているうちに体は冷えてしまいました。


下りは早い早い。

鯨山の山名の由来については諸説あるということですが、(いわての文化情報大事典 > 自然文化 > いわての山々>鯨山参照)
鯨山と近くの小鯨山について「昔、大津波の時雄鯨雌鯨二つ潮のまにまに寄せ来て此の両嶺にとどまれり」(奥々風土記)(岩手県立図書館>イーハトーブ岩手電子図書館>岩手の古文書>奥々風土記参照)との言い伝えがあることは、以前なら「へぇ...」で済んだのでしょうが、今となっては胸を衝かれる思いがするものです。


浪板地区、表参道付近からの鯨山
形が何となく鯨に似ている...というのがほのぼのとしていいですが、いずれこの土地の人々と鯨との深い関わりを感じさせる名前です。大槌には震災前、例の外国の反捕鯨団体も来ていたということですが、山の名前にまで鯨とついているような土地の文化を悪と決め付けることのどのへんが正義なのでしょうか。


麓で探してみると、やはり早池峰信仰の跡がありました。右から「早池峰山 巌鷲山(岩手山のこと) 志和稲荷」と刻んであります。以前、小田越登山口にあった鳥居は大槌の方が建てていたという話もあり、沿岸地域からの早池峰信仰も深いものがあります。いろいろなことを考えながらたっぷり楽しめた鯨山でした。案内してくださったSさん、ありがとうございました。
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