2017.03.30 春シカ
野暮用があって山へ入った。鶏頭山〜毛無森の南西側にあたる。


写真では一見わかり辛いが、これらはササである。葉がみな食べられてしまって茎だけになっている。ニホンジカの仕業だ。


日陰で雪が残っていてもシカの足跡がすっかり道になり歩きやすい。ラッセルの必要なし。


樹皮を食べた、いわゆる「皮はぎ」の痕。


雪から出たササの葉はほぼなくなっている。


こちらの皮はぎはやや古いもの。


ササ


足跡


足跡


足跡…


ササは食べられる


角が落ちてた。3歳くらいのものらしい。少し古びていて、今年のものではない。


南斜面は雪もなく、ササも食べ放題で丸坊主。




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大迫町内では今年で20年目を数える「おおはさま宿場の雛まつり」が開かれています。
今年は2月24日(金)に始まり、3月5日(土)までの10日間で、例年より期間が短くなっています。
午前10時から午後4時まで、大迫町内各所の商店や展示会場に飾られた雛人形を見て歩くことができます。

宿場の雛まつり公式ホームページ>宿場の雛まつり公式ホームページ
こちらで今年のチラシがダウンロード出来ます>第20回おおはさま宿場の雛まつり

ほしがらす通信でも、2012年以降毎年少しずつ、雛まつりのレポートをしています。
過去の記事は右のカテゴリの「おまつり」からご覧下さい(あんどんまつりと交互に出てきます)。
今年も全部は回れませんが少しだけご紹介します。

まず、メイン会場の大迫交流活性化センターから見て行きます。




こちらには町内のお宅から集まって来た雛人形が飾られています。


いつからそうなったのか今年は写真撮影自由でした。




小さな箱に何かいっぱいつまっています。


ちっちゃな百人一首のようでした。


野老(トコロ)…いつだか山で友達がこのツルは自然薯だ!と言うので額に汗して掘り出したらこの苦〜いトコロで、雛まつり用に寄付したっけな。


苦い!と思いながら食べ続けると苦みの中の甘みが意外とクセになるんだよね。


今年、雛めぐりマップに記載されているのに初めて気付いて、町なかからすこし離れた「松坂みそ店」に行ってみました。


松坂みそ店。ここのお味噌は産直ほか町内でも買うことが出来ます。


こちらのお雛様は、お内裏様とお雛様から、三人官女、右大臣左大臣、五人囃子まで、一度に買いそろえられたらしく人形が揃っているのが特徴だとおかみさんが教えてくれました。


古今雛です。何年か前の宿場の雛まつりのポスターになった、上品な顔立ちの人形です。


お内裏様


五人囃子・笛(笛はなくなっていたのでご主人が手作りしたそうです)


鼓。五人囃子は、動きの静かな謡と笛は着物を重ねて着ていて、動きの激しい鼓・小鼓・太鼓は上半身の着物を一枚脱いでいるのだそうで、言われるまで気付きませんでした。



松坂みそ店の近くに、岩手日日新聞の販売店があります。こちらは従業員の方の家のものだそうです。お雛様を飾っている会場の方は皆さん丁寧に解説して下さるので頭が下がります。


もう一軒、「小川酒店」にも寄りました。こちらにはお雛様のほかに屏風や錦絵も飾られています。店内には甘酒の甘い香りが漂っていました。


享保雛です。雛人形を見て回っていると、だんだんこちらが見られているような気になってきます。


こちらの三人官女は町内で一番大きいのだそうです。先ほどの松坂さんのところで、こちらの小川さんには五人囃子ではなく大人の「五人楽師」がいると聞いてきました。残念ながらいくつかの楽器は失われていますが、こちらは雅楽の楽師だそうな。


やっぱり全然回れなかった。じっくり見るには時間が必要です。「おおはさま宿場の雛まつり」は、今週末の3月5日(日)までです。皆様どうぞ時間に余裕を持ってお出かけ下さい。


早池峰山の河原の坊コースが土砂崩れのため通行止めになって以来、人の歩かなくなった登山道沿いでニホンジカによる植物の食痕が目立つようになりました。ちょうど草木の芽や葉が伸びる時期に、道の両側のいろいろな草が食べられていました。

7月31日には、早池峰グリーンボランティアの方々が自主研修という形で河原の坊コース下部のシカ食害調査を行うということで、私も同行しました。岩手県立博物館の学芸員の方がいらして植物の同定をして下さいました。河原の坊コース登山口(標高1070m)から頭垢離(1377m)までの間で、61種の植物に食痕が確認されました。ここまで多いことに驚きました。このエリアにはニホンジカだけでなくニホンカモシカも生息しているため食痕だけではどちらかは分かりませんが、ニホンカモシカは以前からいて数も増えていないと思われる一方、ニホンジカはこの5年ほどで急激に侵入・増加し、それに伴うように植物の食痕が増えてきました。そのためこれらの食痕はほとんどがニホンジカのものとみてよいでしょう。


もっとも目立つのはセリ科のオオバセンキュウ(写真)とエゾノヨロイグサでした。


場所によっては裸地化したような状態になってしまっています。


オニシモツケも多く食べられています。


タマガワホトトギスは人間でも茹でて食べるのにいいそうですが。

シカの食痕が多いのは沢沿いの混交林をゆく道です。標高1300mから上、岩が大きくなってくるとやはり歩きづらいのでしょう、食害も目立たなくなってゆきます。


沢の渡渉点にあるシロバナトウウチソウの群落は丸坊主になってしまいました。


こうして繰り返し食べられているうちに絶えてしまうのではないでしょうか。(2016年10月5日)


この調査の日、沢沿いのある場所にキク科のマルバキンレイカが開花していました。


ところが、その4日後に同じ場所に行ってみるとなくなっていました。(2016年8月4日)


茎のあったはずの場所を苦労して探し出すと根元近くからなくなっていました。

それで、今年マルバキンレイカの開花が少ないことに思い至り、毎年咲く群落のある場所を探してみると、ほとんどの株が見事に根元近くからなくなっていました。これもシカに食べられたものと思われました。


2014年8月3日


同じ場所の2016年8月4日


根元近くの切断箇所

それからしばしばこの場所を観察してみましたが、この後もシカは繰り返し訪れては残ったマルバキンレイカやイワガラミを食べていたようでした。


イワガラミの食痕


2016年9月11日


2016年9月11日

登山道から首を伸ばしても届かない位置の株は無事でした。マルバキンレイカはレッドリストに載っているような希少種ではありませんが、早池峰山域ではそれほど多くは観察出来ません。来シーズンはこの場所に雪融けあたりから柵を立てた方がよさそうです。



河原の坊コースシカ食害調査(2016年7月31日)
食痕が確認された植物
ダケカンバ ヨツバヒヨドリ ノコンギク ゴマナ タニウツギ
オニシモツケ オオヒヨドリバナ ブナ ウツボグサ オオヨモギ
タマガワホトトギス ダキバヒメアザミ トリアシショウマ シロヨメナ オオイタドリ
アキノキリンソウ イヌコリヤナギ ナナカマド クロイチゴ クガイソウ
イヌガンソク ヤマカモジ ヨモギ ススキ アマニュウ
オクトリカブト マルバシモツケ オオバクロモジ ゼンマイ ミヤマアキノキリンソウ
イタヤカエデ(アカイタヤ)クジャクシダ オシダ エゾシオガマ エゾアジサイ
ミヤマセンキュウ マルバアオダモ フキ シロバナトウウチソウ ミヤマハンノキ
ホガエリガヤ ハウチワカエデ ウリハダカエデ ソバナ ツルデンダ
ミズナラ ノリウツギ ミソガワソウ ヤマブキショウマ マルバキンレイカ
コヨウラクツツジ ミネカエデ ハナヒリノキ アカミノイヌツゲ チシマザサ
オオカメノキ ハヤチネコウモリ オオバセンキュウ エゾノヨロイグサ センジュガンピ
ヤナギ属

(地表近くのためシカかどうか不明だが食痕のあったもの)
イヌガヤ オオバコ ベニバナイチヤクソウ
県道のゲートも11月4日に閉まり、登山シーズンのことはすっかり終わったことになっていて、今月は1回も記事を書かずに終わるところでした。
忘れてしまう前に今シーズンに書き残したことを振り返ってみたいと思います。

5月29日の記事でも書いたとおり、2016年5月26日の夜から27日未明にかけての降雨で、早池峰山河原坊コースの標高1740m付近から下方に広い範囲で土砂崩れが起き登山道の一部が流失しました。5月28日に登山者からの通報で自然公園保護管理員が現場を確認し、28日午前11時から登山道を閉鎖、今に至っています。(早池峰山河原坊登山口と小田越登山口に通じる県道25号は、すでに花巻市大迫町岳〜宮古市タイマグラ間で冬季通行止めに入っています。)
概要は6月2日の記事にも書きましたが、こちらの画像↓でなんとなく分かると思います。(クリックで拡大)

河原の坊コース崩壊状況20160529

今回は特徴的な現場の写真と、崩壊地のその後の変化を追った写真を載せておきたいと思います。筆者が自然公園保護管理員の勤務中に情報収集のため撮影したものです。


崩壊の源頭部:標高1764m付近、千丈ヶ岩より上部の登山道の東側 中央の白っぽい石の下から崩れ始まっています。(2016年5月29日)

senjougaiwa160529.jpg
千丈ヶ岩付近の崩壊地。登山道が土砂で流れてわからなくなっています。浮き石が堆積しており非常に危険です。千丈ヶ岩の標柱も埋まっていました。(2016年5月29日)(クリックで拡大)


打石の標柱も落石で倒されていました。(2016年5月29日)

打石下160529

打石の下も、登山道が流されて下の岩盤が露出しています。浮き石も多くなっています。(2016年5月29日)(クリックで拡大)


御神坂(おみさか)と呼んでいる、頭垢離とござ走り岩の間の登山道上に、上から落ちてきたと見られる高さ1mほどの石が立っています。(2016年5月29日)


もっと驚いたことには、標高1377mの頭垢離の沢に、大岩が落ちて来ていました。この石が登山道を走って来た痕跡が、上の登山道脇に残されていました。つまり登山道のあるところだけ見ても崩壊の痕跡が高低差400mにわたって確認できたということです。(2016年6月19日)

それでは、この後は大規模に崩壊した千丈ヶ岩の上の崩壊地の推移を見てみたいと思います。2016年6月8日、8月28日、9月26日の三回に同じ地点から撮影し、合成しました。岩手県内に甚大な被害をもたらした台風10号は8月30日に通過しましたが、早池峰山の南西側では降雨はそれほど多くなく、この現場でも影響はほとんど感じられません。

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(クリックで拡大)

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(クリックで拡大)

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(クリックで拡大)

この3回を比べると、表面の細かい土は雨などで徐々に流されているのでしょう、下の岩の露出が広がり、また残された石ころも径の大きいものになって来ています。

来年もおそらく河原の坊コースは閉鎖して経過観察することになるのではないかと、個人的には思っています。


2016.10.28 冬間近

早池峰山の小田越登山口を通る県道25号紫波江繋線は、花巻市大迫町岳〜宮古市江繋向神楽(タイマグラ付近)で平成28年11月4日の正午から来年5月までの冬季通行止め期間に入るようです。

車で登山口まで来て早池峰山に登れるのはあと一週間ですが、今晩ただいま麓の大迫では雨が降っているので山の上は雪でしょう。天候によってはもっと早くゲートが閉まってしまうかもしれません。問い合わせは花巻土木センター(0198-22-4971)へ。

そういうわけで早池峰山はもう冬です。積雪期登山の経験がない方、早池峰山に一度も登ったことがない方は、安全のため今シーズンは諦めて来年の山開きをお待ち下さい。



ここから今日の早池峰山のようす。明日には景色が一変しているでしょうが…


小田越登山口は気温1℃。西の風5〜10m。つまり体感温度は氷点下。2016.10.28(以下同日)


樹林帯にルリビタキ♂。まだいたんだね。


九合目賽の河原の霜柱。


山頂には風で飛ばされて来たような雪。


山頂の気温は−4℃。開慶水も凍っていた。


固体のH2O。


10cmほどもある霜柱。


山頂はすっかり冬木立。


意外に遠望がきき、普段は見えない釜石〜大槌〜山田あたりの沖の太平洋に船が航行するのが見えました。

山頂は避難小屋の中でも−1℃。歩いている時は体が温まるのでよいですが、止まって休憩しているとダウンにニット帽、手袋などを着けていても体が冷えてきます。登山者も長居はせず次々と下りて行きました。


小田越コース五合目〜七合目あたりは龍ヶ馬場と呼ばれる風の強いところです。気温がもう0℃〜ひと桁のこの季節、このあたりで風速10mの風にさらされれば体感温度は氷点下に。それでも早池峰山で疲労凍死の遭難が起きないのは距離が短いからだろうと思います。いずれ天候によっては無理をせず引き返す勇気が必要です。


ホシガラスが樹林帯でアオモリトドマツの枝を飛び歩いては表面のコケをむしっていました。虫でも探しているのでしょうか。また来年会おうね。